読書の日記

読書の備忘録です。いろんな本を読みます。ぼちぼちやるので見ていってください。

73.武士道エイティーン 誉田哲也 74.空が青いから白をえらんだのです 寮美千子・編

73.武士道エイティーン 誉田哲也

武士道シリーズ最終章。香織と早苗の集大成。ストーリーは香織と早苗の勝負、香織とれなの対決を残すのみだったので、内容としては薄かったのかなという印象。武士道エイティーンは一回投稿したのに、文字が反映されておらず。無念。彼女らの納得できる結果や内容で終わってよかった。長編青春小説を読んだのは初めてだったが、最後まで楽しく読めた。

 

74.空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集 寮美千子・編

 

何かのタイミングで、短いながら思ったことをそのまま伝える「詩」という形態に興味を持った。また自身の夢にも関わるものだったので、見つけた瞬間に買った。

 

犯罪に手を染め、凶悪で粗暴だと思っていた。編者も最初はそう思ったと述べているため、イメージとしてあるものはほとんど共通であるだろうと思う。犯罪を犯すにも理由がある。子どもの頃の非行は親の責任や学校、社会の責任だと思っている。一番の責任は一緒にいる時間の長い親であると思っている。しかし、現状は彼らの非行に走るのをとめるでもなく、叱ることすらもしない親が多いということだ。親の愛を受けず育てば、学校で人との話し方もわからず、学校という小さな社会でうまくやっていけなければ、当然世の中でもうまくやっていけないことが多くなる。そのような負の連鎖の中、自分の居場所を求め、肯定感を欲したすえ犯罪を犯してしまう場合が多いことを知った。彼らは人とつながる幸せをわからないために薬による一時的な幸せを求める場合があることを知った。その中で、更地の感情を耕すために行われた詩の講義は、彼らの現状を理解するには十分であり、また彼らの本音を十二分に聞きだせるツールであった。

 

彼らの詩は拙かったり、ときに詩と呼べるのかすらわからないものもあるが全てが偽りではなく自分の中から出てきた言葉なのだとわかる。だからこそ、詩の一つ一つが自分の中にも似たような感情があることや、彼らの社会への不安などが手を取るようにわかる、気がする。

 

これを読むと、自分の感情は素直に出そうと思える。また、身近な人への感謝など普段は忘れがちなことをそれが当たり前じゃないことを気づかせてくれる。