読書の日記

読書の備忘録です。いろんな本を読みます。ぼちぼちやるので見ていってください。

67.武士道シックスティーン 誉田哲也

67.武士道シックスティーン 誉田哲也

 

勧められて読んだけど、ハイテンポだし読みやすい。その中で考えることが沢山あった。

そしてこれがまだ武士道の序章であることが楽しみ、つづきが。

 

香織の師のように幼少期から師事している人がいるとその人を否定されたくない、その人が正しいって有無を言わせず信じてしまうところがあると思う。だからこそ、責任のある親以外は、例えば先生など、身近になる大人は担任という制度によってコロコロ変わっていくのだと思った。一つのことを信じ続けることは盲信に繋がるし、比較をして他を否定することにも繋がる。これって結構危ないことだと思う。日常生活に意外に潜んでいる。武術は部活にないことが多く、長くそのクラブに通うことが多くて、心の成長を促すものでもあるから、意外にこういう人いるのではないかと思う(というか友達にいた。大学時代の教授にそれは洗脳だよとスパッと言い切られた人が。)。

香織はよくそこから考え方を変えられたなと思う。本書冒頭の香織なんて見れたもんじゃないくらい癪に触るし。

考え方って変えたいと思ってもそうそう変わらないものだと思っているので、ちょっとつまづいてよく考えたら、考え方変わりました!っていうのはちょっと考えられないなと思った。

香織はなまじ結果を残していたぶん、勝つことに執着していることはわかるが、その根底にそれそのものが好き、という感覚なくしてよくやってこれたなって思う。ほとんどの人って好きが強いからやってない?って思ってしまう。

まあこれがこれから形成される武士道の序章と考えれば、ストーリーの進め方やスピード感も好きなので、とても気になるし早く読みたい。

 

早苗の勝ち負けがあまり好きではない、って気持ちはあまり共感できないんだけど、性格やらがただいいだけじゃなくていい性格してるなと思った。

自分はどちらかというと香織派で、勝ち負けを他者に求めて、何かを論じるときも優位性を主張しがちなんだけど、なんとか早苗の感じに持っていきたいとずーっと思っているんですよね。ただ譲らない時や、アルコールの入っている時とか、てんで駄目ですね。

ちょっと違うかもしれないけど孫子も他人が見えないところで結果を出すことがすごいことだ、みたいなことを言っている通り、勝ち負けを求める相手は自分である方が健全だと思うのですよね。ただそれは顕在化しないから、しっかりと今の自分を見れていないと不安になってしまったり迷子になってしまう。だから結果の明確な相手を設定して勝ち負けの手段として扱っているんだろうなと思いました。

 

とりあえず、セブンティーン、エイティーンが楽しみです。