読書の日記

読書の備忘録です。いろんな本を読みます。ぼちぼちやるので見ていってください。

16.〜18陽気なギャングシリーズ 伊坂幸太郎

16.陽気なギャングは地球を回す

17.陽気なギャングの日常と襲撃

18.陽気なギャングは三つ数えろ

 

最初の作品を見たのは中学生だった。私の感性があの頃と変わらないのは、中身が成長していないからか、伊坂幸太郎の書くものは年代問わずうけるのか、どちらかだ。後者でありたい。

 

久遠、響野、成瀬、雪子彼らの相変わらずの軽快な会話、知的好奇心をくすぐる会話、伏線回収のための会話。その全てがページをめくるための『会話』になっている。どんどんどんどんページをめくってしまうこの独特のストーリーの進み方は伊坂幸太郎だけのものだろうと思う。

 

日常と襲撃での人気演出家の奥谷奥谷は首折り男のための協奏曲の合コンの話にちょろっとでていたり、普段から悪いことしているやつはたまにいいことしたくなるんだ、とかの台詞回しは他の作品に出てくる。ネタがないから、などとも言われそうだが、それぞれ個人がすらっと言う。違和感はない。人もいろんな作品の親戚だったり、とか言われているがそこまでは気にして見ていない。

 

マリアビートルでも書いたが、彼らは犯罪者である。決して善良な市民が人助けをするお話ではない。陽気なギャングは三つ数えろでも悪い記者をやっつけるために違法カジノのディーラーのおばあちゃんの形見の亀を殺したかのようにするし、悪い記者のその後はわからない。しかし、読んですっきりなのはなぜだろう。彼らは銀行強盗だ。本書の言葉を引用するなら気を隠すなら森の中。失敗を隠すなら大失敗の中。悪党を隠すならより巨大な悪党。といったところか。笑

三作目にして彼らは強盗稼業の引退をほのめかしているが、頑張ってほしい。時が経っても変わらずに軽妙な会話をしてほしい。

 

次回?というか9月から読んだ本がまだ書いていないのが10作品くらいあって、最近は本読むペースも早くなってきて、溜まる一方なので思い入れのある伊坂作品達もどんどん書いていきます。