53.その女アレックス ピエール・ルメートル
53.その女アレックス ピエール・ルメートル
友達に勧められて読みました。やっぱり和訳された本ってちょっと読みづらいというか見慣れない言い回しが多いかな、という感じ。
アレックスはヴェルーヴェン警部シリーズの2作目ということで、、、。はやくイレーヌが見たい。しかし、若干ネタばれを食らっている状態。まあ読むけど。
さて、順序を間違えて読んでしまった訳ですがその女アレックスどうだったかというと、なかなか内容がきついです。グロ耐性があまりないため、すすすって読んだところがありました。
1部2部がヴェルーヴェン警部たちも読者もよくわからないまま(アレックスの行動も見える分、事件の理解は読者の方が高い)進む。3部は解決編のようなもので、事件の理解は警部らの方が高く、どんどん彼らが真相を暴いていくのを理解する、といった感じでした。
3部は特に読むのがきつかった。これアレックスだけの問題ちゃうやんな〜て思いながら読み進めました。
ヴェルーヴェン、アルマン、ルイ、ジャンら警官たちの気を遣いあった会話や彼らの欠点はどこにでもありそうなところ(本の主人公たち一行でこんなあんまりよくない性格の方をおしだしているの初めて見た)、自分たちの正義を貫く(それが世間的な正義かどうかは問わない)ところは綺麗にまとまってる綺麗ごとのお話しとは違うなと思った。
綺麗にまとまってるって、とても有能ないいチーム、みんないい性格、気なんか使わなくても心が通じてる感、みたいないいところしかなくて、悪を倒すよ!みたいな。まんまこんな話はないだろうけど、なんかそんな感じのあるよね。
悲しみのイレーヌ、はやく読んでみたいですね。
50.51.怒り(上)(下) 52.フィッシュストーリー
50.51.怒り(上)(下) 吉田修一
映画を見てからの、文庫本。
映画の印象は市川で起きた市橋達也の事件に似ているな、というもの。キャストが塩系?の顔だし、最後の頬を削ろうとする場面とか、事件の唇のオマージュだろうと考えられる。
見終わってから調べてみると、なんかの特集で吉田修一のインタビューで市橋達也の事件を意識していると書いてあった。その時の潜伏先の人々との関係を書きたかったらしい。詳しく書くと、身元不明の男を信用していいのか、自分の見たものと指名手配の顔が似ているという状況での周りの人の心境の変化、わがたまりを表現したかったらしい。
映画を見た時はおお〜確かに!!確かにそーだった!!でもミスリードで引っ張りすぎなんかな〜とも思った。まあミステリーというよりは人間ドラマ?の方を書きたいのだからしょうがないといえばしょうがない。全体を通して満足度の高い映画だった。その前に見た「何者」が微妙だったから、というのもあるかもしれない。
映画が長くてよかっただけあって本も読んでみたくなり、半年ほど経って買った。
警察のところが詳しく書かれていたのとほんとちょこちょこずつそれぞれのエピソードが追加されているくらいであまり映画と変わらなかった。あとクライマックスは映画の方が映像映えする、といったくらい。
内容に関しても、東京では言うに言えない事情を抱えていてそれを言っては全てが崩れてしまうと相手を信じきれなかった男、そのことに違和感を感じて信じきれない男、両方とも辛かった。千葉でも面倒見の良い男を家族単位で信用できなく、結局警察に通報してしまう。警察にばれると危ない組織にもばれると言っていた男の頼みを信じきれなくて。
上下あったが、内容が分かっているだけに、2日で読めた。内容が怖いし、ずっしりくるけど悪人も読んでみたい。
52.フィッシュストーリー 伊坂幸太郎
文庫化されている伊坂幸太郎の最後の本!
どうしても動物のエンジンが面白いと感じられなくて(冒頭)読み進められないし、次々買ってきてしまって結局最後になった。
サクリファイスは政治家批判ともとれる内容。黒澤さんがこんな頻繁に出てきて嬉しい。フィッシュストーリーも一曲が世界を救ういい話だった。この風が吹けば桶屋が儲かるみたいなのはとっても好き。ポテチは初めて結末がわかった話で嬉しかった。ポテチを間違えた大西がこっちの味も案外いいってその言葉で救われた今村がすっきりできて?よかった。
とりあえず、
キャプテンサンダーボルト
火星に住むつもりかい?
サブマリン
のでかい本も買ってしまおうかな。それかチルドレンやグラスホッパーあたりを読み返そうか悩み中。
忙しいものことの合間に本を読むととっても進む。最近とても読めていて楽しい。今度は3652に出てくる伊坂さんの読んだ本をひとしきり読んでみようかな、なんてことは、ない。
48.ラッシュライフ 49.重力ピエロ
何度も下書きが消えて、書きあぐねていた。
いろんな過去から未来から話が繋がっていて、チルドレンを思い出す。言い回しや軽快なテンポの会話はそのままで飽きることなく、読了。
発行的には初期の段階で、首折り男に出てきた黒澤が印象的だった。高橋をめぐる話、無職のおじいさんの話はとても好きだった。じわじわと時系列がわかるなか、最後の外国人の彼女の「好きな日本語」のアンケートによってしっかりとスッキリでき、何度でも読み返して、時系列順にそのまま読んでも面白いかもしれないなと思った。首折り男の黒澤の話は時系列がまるまるばらばらで、ケツから読むお話で何度か見返す面白さがあった。
49.重力ピエロ 伊坂幸太郎
終末のフールに続く2度目の既視感のあった小説。いつどのタイミングで読んだかわからないが、読めば読むほど記憶が溢れ出てくるといった感じで、思い出しながら読んだ。
ガソリン生活やオー!ファーザーよりも取り扱う内容は重いが、家族のあり方が一つのテーマにあると思える作品。2回目でもすごく楽しく読めた。
アヒルと鴨のコインロッカーのドルジや今作の春や泉水の自分の中の善悪の判断をしっかりもっていることは、世間一般では悪と判断されることでも自分の信念を持ってやり抜く。説得し通す。そういう姿勢が見ていて気持ちいいと思えるところなのかと感じた。
47.仙台ぐらし 伊坂幸太郎
47.仙台ぐらし 伊坂幸太郎
伊坂作品もぼちぼち終わりに差し掛かっているので、(今現在読み終えていない作品は重力ピエロ、ラッシュライフ、アイネクライネナハトムジーク、火星に住むつもりかい、キャプテンサンダーボルト)エッセイ集に手を出した。読み終わってないもの、意外にあるな。
自分の好きな作家の人となりは知りたくないような、知りたいような感じであまり手を出そうとは思わなかった。ただ、こんな面白い話を書く人だから面白いんじゃないかとは思っていた。
結論から言うと面白い。震災記事は短篇のa bookmobileを読んでみてもらいたい。風景ではなく人の心を見ろ、そこまで被災した状況がわからないからといって人の心までもが今までどおりではない、その通りだと思った。
就職活動中なので、仙台学を出版している荒蝦夷を見てみると社員3人という状況は変わらず。諦めようと思った。
42.あるキング 43.動物農場 44.甲賀忍法帳 45.46.モダンタイムス(上)(下)
42.あるキング 完全版 伊坂幸太郎
分厚さから敬遠していたシリーズ!!シェイクスピアのマクベスを読んだことがないから、どう群像劇的なのかがわからなかった。ただ大筋は同じ話を言い回しであったり、進め方であったりで飽きさせない(流石にpaperback番は飽きてきてた)のは流石でした。
43.動物農場 ジョージ・オーウェル
好きな著名人が紹介していて、すぐ買った。
頭の悪い民衆、革命を起こした理由は独裁支配されることではなかった。そう思った時にはもう遅い。巧みに革命時に決めたルールを変えていく権力者(豚)。なんとなく、前よりは良い生活だからと流されていく民衆。先導する広告主(豚)。人に支配されていた時よりもひどい状況になり、豚はそのとき人になる。必見。
内蔵されている 象を討つ では見た目と地位のためにした行動が自分そのものを悩ませるお話。短めなので、読みやすいです。
パチスロバジリスクの原作!50年前につくられたとは思えない位の異能バトル。漫画を見ている感じだった。異能バトル且つトーナメントの先駆者なのかなと思った。わくわくする展開、お幻と甲賀弾正が一緒に死んだ時点でなんとなく結末はわかった。ただ甲賀がものすごく不利な状態で話が進んでいくからどきどきしながら読める。アニメも見るといいかも。結構好きでした。
45.46モダンタイムス(上)(下) 伊坂幸太郎
魔王の50年後の世界という設定。分厚さから敬遠してたグランプリ1位!!だけど、買ってしまった。面白い。とっても面白い。背表紙に書いてあるあらすじあんま面白くなさそうだったけど、冒頭から飛ばしてる。ゴールデンスランバーは見えない巨大ななにかから逃げ続けるものだったが、魔王、モダンタイムスは抗い続けるお話だった。魔王に出てきた安藤の弟は未来に何かを残してた。奥さんの話を聞いたときぐっときた。なんか本当に魔王の続編でとても面白い。ストーリーも、登場人物のキャラクターも伊坂ランキング上位に食い込む話だった。いや〜面白かった。
40.ゴールデンスランバー 41.光
40.ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎
前記事で下書き保存したのに、編集ができないので、こちらに。
映像化されてて、有名なんだけど映画見ちゃったし分厚いしで敬遠していた。読んでみたらすんなり、2日で読み終えてしまった。話の全体についての感想を話すととても長くなるので今回は割愛。キャラクターたちが妙なところでつながって話が進んでって、流石代表作と呼ばれているなと思った。
どうしようもないものに立ち向かう(逃げる)系の話が終末のフールや魔王とかと似ている。それでも飽きさせないのはどうしようもないものが違ったり、描写の楽しさなのかなと思う。SOSの猿とかオーデュボンの祈りとか現実に限りなく近いけど場所が変だったり登場人物が変というのがワンポイントはいっているのもまた、楽しい。あと読んでないのは重力ピエロ、砂漠、モダンタイムスと文庫化されていないものだけだけれど、早く二周目も読みたいと思える作品だらけ。とくにアヒルと鴨のコインロッカーを読みたい。書きたいこと何も考えずに書いただけだが、これにて。
41.光 三浦しをん
舟を編むの作者だと帯に書いてあったので、手に取った。
輔は家庭内では蔑まれ続け暴力を振るわれ、慕っていた信之からも何年たっても良く思われない。彼は確かにお調子者だったが、報われなさがとても悲しかった。信之が全てだと思っていた美花は全く別の方向を向いていて、信之は初体験をした美花に対して執着の限りを尽くす。娯楽のない島だったから唯一の娯楽に没頭して、信之の世界が狭くなってしまったのかなと思った。美花の強かさにはひいたけど、美花に執着し続ける信之も父親を異様に怖がる輔も、信之失踪を将来の心配にすぐ切り替わった海南子もなんかその辺にいる人たちの皮をベロンとまるまるウラッ返しにした状態みたいで、気分が沈んだ。人の汚い部分をほとんどそのまま書いている感じ。光ってなんだろ、というまま終わってしまった。
39.終末のフール 40.ゴールデンスランバー
39.終末のフール 伊坂幸太郎
中学生の頃、読んでいたことを全く覚えていなく、買った。読んでいくうちに、あれ読んだことあるなと思った。自分の奥深くにある記憶が行を進めるごとに紐解かれた。既視感がある。そうわかりつつも、読み進めていった。
死を前にして生を実感する。そういう話だった。自分はいつかわからぬ死を前に、しっかり生きていけてるのかを考えさせられる話だった。自分が何をしようとどうしようもないもの、本作の場合で言えばそれが小惑星なのだが人にはどうしようもないことが自然災害や病気、事故、寿命と多々ある。抗えないものがある、とわかっていて、いつ終わるとも知れない人生と感じて生きているのか。鋼鉄のウールで「おい俺、俺はこんな自分を許すのか?」と小惑星衝突の報道があってもボクシングジムに通い、練習し続ける人がいた。他に出てくる人たちはほとんどが生き方を変え、悔いのないように生きようとする。ボクシングジムに通い、日々研鑽することが彼の中で一番悔いの残らない、生き方だった。だからそれは三年後地球が滅亡しようがしまいが関係ない。私自身も、感情の起伏で動いてその日その日を暮らしていく。悔いは確実に残る、生き方だ。これを見ていきなりすべてが変わる、とは思わない。しかし、ちょっとずつでも変えていこうとは感じれる、そんな本でした。
40.ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎