読書の日記

読書の備忘録です。いろんな本を読みます。ぼちぼちやるので見ていってください。

64.キャプテンサンダーボルト 伊坂幸太郎 阿部和重

64.キャプテンサンダーボルト 伊坂幸太郎 阿部和重

 

完全合作。そう耳にした時、2人の文体が合っていて、方向性も全く同じに作品を作っていくことなんかできるのか?と思っていた。阿部和重は友人に文に癖がある、割りと読みづらいと聞いていたので中々不安だった。

 

そして買う前に評価を見てみると、なんと2015年本屋大賞8位。伊坂幸太郎著のアイネクライネナハトムジークは9位と高評価だった。そして、購入。

 

読んでみると読みづらく、ない。単行本は最近買い始めていて、まだあの厚いカバーと大きさに慣れていないがそれでもペラペラと次項をめくる手が止まらなかった。

 

内容はザ・伊坂幸太郎という感じ。どうやっても抗いようのない事象、人、権力に対抗し散りばめられた伏線を回収しながらなんとか生き延びるといった快活劇だ。本書は問題を解決したのち、井ノ原も相葉も誰もがわかるハッピーエンドに終わり、そこが少し違うところだった。自身は内容に含みをもたせて終わる終わり方はあまり好みではないので、とてもよかった。

 

最終局面でメンターをやっつけるところとか、9.5章の日本の生物兵器実験場を破壊しにきたオーエンたちと現在の相葉と井ノ原がリンクしているところとか、とてもよかった。

 

 

阿部和重は読んだことがなく、アメリカの夜を勧められ、ネットをみてニッポニアニッポンが面白そうと思い、注文しようとしたら絶版だった。amazonにはしっかり中古があったので買いたい。amazonに感謝。大江健三郎のわれらの時代も絶版で、5年、10年前は神保町の古本屋街に行ったりして、手に入れなければならなかったのかと思うと本読み初心者としてはとてもありがたい時代だ。古本屋街もぶらぶら一日中歩いてみたい。