読書の日記

読書の備忘録です。いろんな本を読みます。ぼちぼちやるので見ていってください。

61.傷だらけのカミーユ ピエール・ルメートル

61.傷だらけのカミーユ ピエール・ルメートル

 

カミーユ・ヴェルーヴェン警部三部作の最後。

悲しみのイレーヌ、その女アレックス、の次の作品。

 

全部鬱エンド。救いがなかった。もう傷だらけのカミーユて題名を見ただけで、これ以上カミーユを傷つけないでくれ!って感じ。笑

 

そして、登場人物紹介。これなかなかのネタバレになってしまう。というか予想がついてしまう。確かに人数多いけど、ここ見ちゃうとなんか展開が読めるというか。なので登場人物は前ニ部を読んでいる人は見ないほうがいいです。

 

さて、本作はその女アレックスの翌年の時間だと書かれている。イレーヌの影はなくならないものも、鬱を克服し現場に戻ってきたカミーユ。そしてその間に芽生えたアンヌとの恋情。

 

今回は初っ端から恋人?のアンヌが宝石強盗に襲われます。そしてカミーユは暴走します。イレーヌの時の反省が生かせてない。独断で行動するし、嘘をつく。今後、警察としてはいられなくなるくらい嘘をつき、状況を隠し、自分で調べる。もうこの時点でああ、バッドエンドやと思いました。

 

人のために自分を犠牲にするという行為をしたアンヌとアフネル。彼らの犠牲は守るべきものへの自己愛より強いものだった。だからカミーユはアンヌを許した。

 

カミーユは最後に母を恋しく思う。カミーユは母からもらえなかった無償の愛を確認したかった。それが体にも現れているカミーユは尚のこと。身を犠牲にしてまで守られる、大切にされるという経験がそう思われていることがカミーユにはなかった。

 

途中のカミーユの暴走には同じ失敗繰り返そうとしてるなと感じた。最終局面に近づくにつれてカミーユは冷静さを取り戻していた。過去を清算して、カミーユはどこへ向かうのか。最後まで救われなかったなあと。

 

その女アレックスにアンヌが出ていると訳者あとがきに書いてあったが、覚えていない。読み直そうと思う。