50.51.怒り(上)(下) 52.フィッシュストーリー
50.51.怒り(上)(下) 吉田修一
映画を見てからの、文庫本。
映画の印象は市川で起きた市橋達也の事件に似ているな、というもの。キャストが塩系?の顔だし、最後の頬を削ろうとする場面とか、事件の唇のオマージュだろうと考えられる。
見終わってから調べてみると、なんかの特集で吉田修一のインタビューで市橋達也の事件を意識していると書いてあった。その時の潜伏先の人々との関係を書きたかったらしい。詳しく書くと、身元不明の男を信用していいのか、自分の見たものと指名手配の顔が似ているという状況での周りの人の心境の変化、わがたまりを表現したかったらしい。
映画を見た時はおお〜確かに!!確かにそーだった!!でもミスリードで引っ張りすぎなんかな〜とも思った。まあミステリーというよりは人間ドラマ?の方を書きたいのだからしょうがないといえばしょうがない。全体を通して満足度の高い映画だった。その前に見た「何者」が微妙だったから、というのもあるかもしれない。
映画が長くてよかっただけあって本も読んでみたくなり、半年ほど経って買った。
警察のところが詳しく書かれていたのとほんとちょこちょこずつそれぞれのエピソードが追加されているくらいであまり映画と変わらなかった。あとクライマックスは映画の方が映像映えする、といったくらい。
内容に関しても、東京では言うに言えない事情を抱えていてそれを言っては全てが崩れてしまうと相手を信じきれなかった男、そのことに違和感を感じて信じきれない男、両方とも辛かった。千葉でも面倒見の良い男を家族単位で信用できなく、結局警察に通報してしまう。警察にばれると危ない組織にもばれると言っていた男の頼みを信じきれなくて。
上下あったが、内容が分かっているだけに、2日で読めた。内容が怖いし、ずっしりくるけど悪人も読んでみたい。
52.フィッシュストーリー 伊坂幸太郎
文庫化されている伊坂幸太郎の最後の本!
どうしても動物のエンジンが面白いと感じられなくて(冒頭)読み進められないし、次々買ってきてしまって結局最後になった。
サクリファイスは政治家批判ともとれる内容。黒澤さんがこんな頻繁に出てきて嬉しい。フィッシュストーリーも一曲が世界を救ういい話だった。この風が吹けば桶屋が儲かるみたいなのはとっても好き。ポテチは初めて結末がわかった話で嬉しかった。ポテチを間違えた大西がこっちの味も案外いいってその言葉で救われた今村がすっきりできて?よかった。
とりあえず、
キャプテンサンダーボルト
火星に住むつもりかい?
サブマリン
のでかい本も買ってしまおうかな。それかチルドレンやグラスホッパーあたりを読み返そうか悩み中。
忙しいものことの合間に本を読むととっても進む。最近とても読めていて楽しい。今度は3652に出てくる伊坂さんの読んだ本をひとしきり読んでみようかな、なんてことは、ない。